最近は病気の予防のために手を洗ったり、消毒をする機会がすごく増えたと思います。
そこで気になるのは手の乾燥ではないでしょうか。
カサカサして手が痒くなったり、ひどいときにはあかぎれになってしまったり・・・。
それは何度も手を洗ったり消毒することによって、皮膚のバリア機能が低下することから起きてしまうことです。
それと同じようなことが犬の皮膚でも起きている場合があります。
人でも重要視されている保湿ですが、最近では犬のスキンケアにおいても保湿はかなり注目されています。
保湿をする理由や、どのように保湿をしていけばいいかを解説していきたいと思います。
皮膚を守るために保湿は必要!
皮膚は乾燥するとバリア機能が低下していまいます。
バリア機能が低下すると細菌やカビなどが感染しやすくなります。
乾燥すると痒みがでることもあり、犬の場合では痒みがあると気になって自分で掻いてしまい、皮膚を傷つけてしまうこともあります。
人なら、掻きすぎると肌が傷つくから我慢しようと思ったりするのですが、犬にはそれがわからないので、飼い主さんが目を離したすきに血が出るまで掻いてしまっていたなんてこともよくあることです。
そういったことから皮膚のバリア機能を守るためには、まず皮膚を乾燥させないことが大切だとわかりますよね。
ところがシャンプーをすると、どんなに脱脂力や洗浄力の低いシャンプー剤を選んでも、皮膚から水分が蒸散してしまうことを完全に阻止することはできず、皮膚は乾燥します。
しかしシャンプーにはメリットもたくさんありますし、皮膚や毛を清潔に保つことも健康においては重要なことです。
そこで、シャンプー後の乾燥を防ぎバリア機能を低下させないために保湿剤が必要なのです!
人でも入浴後乾燥しないように、保湿効果のある入浴剤を使用したり、ボディクリームを塗ったりしますよね。
犬もそれと同じで、シャンプー後にしっかり保湿して、皮膚の潤いを保つことが大切です。
保湿剤と使い方
犬にも保湿が必要とはいえ、毛むくじゃらの体を保湿するのは難しそうだし、どんなものを使えば良いのかわからないいう方もいらっしゃると思うので、
保湿剤の種類や実際に動物病院でやっている使い方を紹介していきたいと思います。
保湿成分としては、セラミド、尿素、ヘパリン類似物質、ワセリンなどがあります。
セラミドは水分の保持力が高く角質細胞間脂質にたくさん含まれている成分です。
セラミドがたくさんある角質は潤いたっぷりでバリア機能が高くなり、セラミドが不足しているとカサカサしてバリア機能が低下するとうことなのです。
保湿をしてみようと思うけど、どの保湿成分を使えばいいかわからない!というときは、セラミドから取り入れるのがいいと思います。
尿素は水分を引き寄せる性質があり、角質をやわらかくする作用もあります。
人では肘やかかとなんかに塗る保湿剤によく使われている成分です。
皮膚がごわごわしているところに使用したり、ガサガサした肉球に使用するのがおすすめです。
デメリットとしては角質をやわらかくしすぎてしまうので、皮膚の薄くなっているところには使わないほうがいいです。
ヘパリン類似物質は、保湿効果、血流を促進する効果、抗炎症作用のある成分です。
保湿効果がありながらも、血流改善も期待できる成分なので、皮膚の薄い部分などに使うのがおすすめです。
ワセリンは閉塞剤と呼ばれるもので、皮膚への刺激が少なく、内側から水分が逃げるのを防いでくれますが、外から水分が入ってくるのも防ぎます。
ベタベタするので使う場所や量なども考えないといけないので、保湿に慣れてきた頃に他の保湿剤と併用することをおすすめします。
保湿剤には、ローションやジェル、乳液やクリームなどといった様々なタイプのものがあります。
最近では入浴剤で保湿効果があるものなども人気です。
私は、皮膚の乾燥が軽い犬やベタベタした皮膚の犬、高温多湿の夏などはさっぱりとしたローションやジェルにしたり、
乾燥がひどい犬や乾燥する秋冬などはしっとりとした乳液やクリームを使用するなど、季節によって使い分けています。
私が普段行っている方法としては、まずシャンプーのすすぎが終わったあと、乾かす前にセラミド入りのローションタイプの保湿剤をスプレーの容器に入れ、全身にたっぷりとふりかけます。
被毛が長い犬や、毛量が多くて地肌に保湿剤が届きにくい犬がいるので、このようにするとしっかりと全身保湿することができます。
皮膚の乾燥具合によって濃度が調整できる保湿剤もあるので、そういったものを選ぶのがおすすめです。
数分間浸透するのを待って、しっかりタオルドライした後、さらに保湿したいところには泡で出てくるタイプの保湿剤を使用する場合もあります。
泡で出てくるフォームタイプのものはローションとは違って垂れていきにくく、浴室や洗面台以外の場所でも使いやすいので、シャンプーのとき以外の乾燥対策としても使えるのでおすすめです。
ドライング後、更に乾燥が気になりやすい、お腹や脇などの皮膚の薄いところには乳液タイプやベタつきの少ないクリームタイプを重ね塗りしていくこともあります。
人でも化粧水のあとに乳液やクリームを塗って、水分をしっかりとお肌に留めておくようにすると思いますが、犬もそれと同じように考えています。
しかし、被毛がしっかりと生えている部分では、乳液タイプやクリームタイプの保湿剤を塗るのはなかなか難しいと思います。
そういうときに使っているのが保湿成分と油分も少し入っているタイプの入浴剤です。
一回目のシャンプーで汚れをある程度とり、入浴剤をいれたドッグバスなどに犬を入れて軽くマッサージを行うと、毛穴が開いて残った汚れが浮きやすくなり、保湿成分と油分により保湿もされます。
手早く、でもしっかり全身の保湿を行いたいときにもおすすめです。
保湿に初挑戦の場合は、取り入れやすいもの、犬がさせてくれるもの、続けやすいものから始めていって、足りないものを足していく感じでやっていくといいと思います。
まとめ
皮膚が乾燥すると痒みがでて皮膚を掻いて傷つけたり、皮膚バリア機能が低下して細菌やカビに感染しやすくなる。
シャンプーをすると、どうしても乾燥してしまうので、保湿をすることで乾燥による皮膚バリア機能の低下を防ぐ必要がある。
保湿成分の効果や保湿剤の種類を知り、皮膚の状態や季節に応じて使い分ける。
どれを使えばいいかわからない場合はセラミドから取り入れるのがおすすめ。
シャンプー後には必ず保湿を!
ローションタイプをスプレーでふきかけると被毛が長い犬や毛量が多い犬でも全身の保湿がしやすい。
乾燥がひどい部分は乳液タイプやクリームタイプの保湿剤で蓋をするように重ね塗りが有効!
実際にシャンプーをしてから痒みが出る犬は多い印象があります。
保湿を行うことでそれが改善されることは本当に多いです。
せっかくシャンプーしてきれいになったのに、シャンプー後に愛犬がずっとかいかいしてるのは、シャンプーをしたことによって乾燥したからかもしれません。
保湿をしっかりすることで脱毛していた犬の毛が生えてきたり、ごわごわしていた皮膚がやわらかい皮膚に戻ったりするので、保湿で皮膚バリア機能を高めることは健やかな皮膚を保つのに重要なことだと実感させられます。
是非ともおうちシャンプーの際には、保湿も忘れずに行ってあげてください。
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